第7回「天然ペースメーカー」

解剖生理学が苦手です

血液による酸素供給が全ての細胞の生命線

血液による酸素供給が全ての細胞の生命線
心臓は自動性といって、つながっている血管と神経を全て切り離して摘出したとしてもまだ拍動を続けます。つまり心臓は基本的に外から動かされているわけではなく、自ら動いているという事が解ります。

この心臓独自の仕組みは刺激伝導系と呼ばれ、通常の普通心筋組織とは別の特殊心筋という組織で構成されています。特殊心筋は肉眼で見ても普通の心筋と区別は付かないのですが、顕微鏡で見ると明らかに普通の心筋組織の細胞より小さいのですぐに解ります。そしてこの刺激伝導系では自動的に反応が起こり、その反応が電気的に心臓全体に伝わっていきます。つまり心臓は電気で動く腕時計のような機能を最初から持っているのですね。

ペースを最初に作り出しているのは洞房結節(キース・フラック結節)で、ここでは70回/分の刺激が発生しています。自動的にリズムを作り出しているので、洞房結節はペースメーカーとも呼ばれます。一般にペースメーカーというと人工ペースメーカーを思い出す方も多いのですが、私たちは元々心臓にペースメーカーを持っているのですね。

洞房結節の刺激は心房全体に拡がって心房を収縮させるとともに、次の刺激伝導系である房室結節に伝わります。この洞房結節に伝わるときは直接つながっていないため、0・1~0・2秒の時間差(タイムラグ)が生じます。このおかげで心房が収縮して、血流が心室に入ってから心室が収縮するという絶妙な拍出の仕組みが生まれているのです。

因みに地球上の全ての動物は、一生のうちに刻む心拍数がほぼ同じだそうです。だから寿命の短い小型の動物は心拍数が速く(例:ネズミ=450回/分)、寿命の長い大型の動物は心拍数が遅い(例:ゾウ=30回/分)のです。だからネズミはチョロチョロ動き回り、ゾウはゆっくり動くのですね。