第1回 [循環系]動脈で正しいのはどれか?

さわ和代

血管
今回は血管の話です
動脈や静脈は管(くだ)のことで、血液が流れるチューブです。動脈も静脈も内側から内膜・中膜・外膜の順に3枚の膜が張り合わさってできています。

心臓
動脈って何のこと?
酸素たっぷりの血液! なんて言う人はいませんか。
酸素が多い血液を動脈血といいますが、動脈血が流れるから動脈というのではなく、心臓に押し出されて出て行く血液の通り道のことをいうのです。

心臓が1回に送り出す血液の量は健康な大人で約70mlです。その血液がドクンドクンと押し出されていきますから、チューブもそれに合わせてプクンプクンと膨らみます。これが脈拍でしたね。つまりこのチューブは良く伸びる(弾性)線維でできているのです。この弾力性のある線維は中膜に付いており、心臓からの勢いが一番強い大動脈ほどたくさん付いています。もし勢いよく心臓が血液を送り出した先のチューブが硬くて伸びなければ、チューブが裂けてしまうおそれもあるのです。これが動脈が硬くなった(動脈硬化)せいで起きる動脈瘤の破裂です。動脈はこのように心臓に送り出された血液のせいで脈を打つので、動く管(くだ)、つまり動脈と呼ぶのです。ですから動脈の中を静脈血が流れている場所もあるのです(酸素を配り終えて帰ってきた静脈血を心臓は肺に送り出す=肺動脈)。

さて、全身の細胞に酸素を送るために心臓から送り出される大動脈は、それぞれの細胞を目指して枝分かれを繰り返しますが、段々と血液の流れに勢いがなくなってきます。血液の流れが途中で止まってしまっては大変ですから、勢いがなくなった末端の動脈には筋肉(平滑筋=内臓に付いている筋肉と同じ)が中膜に付いているのです。この筋肉が収縮することで血液はその先に押し出されていくのです。

このように弾性線維や平滑筋が付いているので動脈は非常に中膜が厚いのです。
動脈は末端で毛細血管にバトンをつなぎ、毛細血管が直接細胞に酸素を渡します。毛細血管は物質を交換するための管なのです。
細胞ではこの酸素を受け取り、栄養分を燃やしてエネルギーを取り出しています。
車と同じように私達の体も燃やすと必ず排気ガスが出ます。この排気ガスがCO2です。排気ガスを体から外に捨てずにため込むと死んでしまいますから、血液が回収してきます。つまり毛細血管は酸素を渡し、CO2を受け取る役目を果たしています。CO2を受け取った毛細血管は静脈にバトンをつなぎます。

肺循環
では静脈にはどのような特徴があるのでしょうか?
この辺りから、もう血液は心臓に押し出された時のような勢いはなくなっています。ですから静脈の周りには筋肉(骨格筋)がついていて、この筋肉が収縮することで血液を重力に逆らって上に押し上げようとするのです。さらに心臓も血液を送り出した後はパーっと開いて戻ってくる血液を引き込もうとするのです。これが心臓の収縮と拡張が交互に行われる理由です。

静脈が心臓に戻って体の循環はゴールを迎えます。

心臓はポンプの力でこれを肺に送り出し(送り出しているからチューブの名前は肺動脈)ています。回収したCO2 を肺に渡して呼気で吐き捨ててもらうためです。ですから、静脈が心臓に戻るときは動きのない静かなものなので静脈と言うのです。重力がある以上筋肉が収縮して押し上げてくれても逆流しやすいことに違いはありません。そこで静脈には逆流を防ぐ弁が所々ついているのです。

それでは97回の過去問を見てみましょう。
1は、骨格筋は静脈の血流を助けているので×ですね。
2は、動脈は中膜が一番厚いので正しいですね。
3は、逆流を防ぐ弁ですから静脈の特徴でしたね。
4は、大動脈は弾性線維が発達していますので×ですね。

いかがでしたか?血管や心臓のことがよく分かれば循環器は怖いものなしです!何度も読んで復習してみて下さい。
では、また