さまざまな臓器の連携(1)

さまざまな臓器の連携(1)

私たちの体は、様々な臓器・器官から成り立っています。そして、それぞれの臓器や器官は独自の役割を持っていて、お互いの協力・連携なしには生命を維持することができません。様々な仕事をする人が集まり、協力して運営している大きな会社みたいですよね。でも、臓器や器官は互いにどうやって協力しあっているのでしょうか?会社なら、メールや電話や会議で情報をやりとりして協力しますが、生体の中でどうやって情報をやりとりしているのでしょうか?
実は人体の中で、この情報のやりとりに関わっているのが、神経とホルモンなのです。

神経は大きくわけると、体性神経系と自律神経系の二種類があり、体性神経系は「意識して動かす(主に筋肉など)」ことに関わるのですが、自律神経系は「意識することができない機能(主に臓器など)」に関わっています。例えば、食事を摂ると胃液の分泌が増え、収縮運動が活発になり、腸蠕動が活性化されますよね。この時、「食事の後だから胃や腸を動かさないと!」と意識する人はいないと思います。このような臓器の自律的な働きが「自律神経系」で制御され、「神経性調節」と呼ばれます。

ホルモンは自律神経系と共に、臓器や器官どうしの情報伝達の役割を担い、その機能は「液性調節」と呼ばれます。
ホルモンの機能は、「のろし」に似ています。情報の正確性には欠けますが、体のすみずみまで影響を及ぼすことができるのです。例えば、食事後に血糖値が上がってくると、膵臓(膵島)からインスリンというホルモンが分泌されます。これは、血糖値の上昇を感じ取った膵臓が「栄養が入ってきたぞ!」という知らせを全身に届ける信号のようなものです。このインスリンを感じ取った全身の筋肉は糖やアミノ酸の取り込みを活発化し、脂肪細胞は糖を取り込んで蓄積し、肝細胞は糖からグリコーゲンを作るのです。逆にどんなに栄養を摂ったとしても、この信号が出なければ「エネルギーを使おう」「体に溜め込もう」という指示がないので、血液中に糖がたくさん流れ続ける状態が続くのです(=インスリン依存型糖尿病)。

出題
問題:次のうち、自律神経系に関係のないものはどれか?

1. 舞台に上がるとドキドキする
2. 食事の後に眠気に襲われる
3. 指に針を刺したらチクっと痛む
4. 階段を駆け上がると呼吸が速くなる

正答:3

1.舞台に上がり「緊張」すると自律神経系の交感神経が優位になり、心拍数や血圧が上がるので「ドキドキする」と感じます。
2.食事を摂ると副交感神経が優位になり、消化器の働きが促進されると共に、血圧が下がり瞳孔が広がって「ぼーっと」眠くなってくることがあります。
3.指に針を刺したらチクっと痛いのは、体性神経系である「感覚神経」の働きですから、これは自律神経には関係ありません。
4.階段を駆け上がるといった急激な運動をすると交感神経が優位になり、心拍数や血圧が上がると共に、呼吸数が増えて酸素の取り込みを促進します。