非特異的防御機構(2)

非特異的防御機構(2)

次に、「非特異的防御機構」を具体的に紹介しましょう。といっても人間の体には無数の防御機構があるので、少しずつ紹介します。今回は、まず第一段階の「生体にとって大事な所への侵入を防ぐ」仕組みです。

体外から異物が入ってくる可能性がある場所には目・鼻(気道)・口(食道)・尿道口・肛門・膣があり、これらの他にそもそも「皮膚」は常に外界に触れています。それぞれの器官はどんな防御システムを持っているのでしょうか。

目は粘膜で外界と接していますが、常に涙によって潤っています。涙には抗菌・殺菌作用を持つリゾチームが含まれているほか、異物を洗い流して鼻の奥に流す役割も持っています。鼻は呼吸する空気の通り道であり、鼻の粘膜から出る粘液(鼻水)にはやはりリゾチームが含まれます。空気はさらに咽頭を通って気管に入りますが、その内側の粘膜は粘液で覆われ、線毛が肺の内部から外側に向かって異物を押し出す動きをしています。空気中に含まれる多くの粒子や病原体は、この粘液に捕らえられて口側に送られ、食道に飲み込まれて胃酸で消毒されます。また、口の中の粘膜は常に殺菌・抗菌作用のある唾液で潤されています。そして食物や鼻水・痰などに含まれる異物・病原体などは、そのほとんどが胃酸によって殺菌されます。

尿道口は、定期的に流れる無菌の尿によって洗い流されるため、簡単に病原体が尿路内に入ることはありません。肛門は肛門括約筋によって堅く閉ざされていますし、もし病原体が大腸内に進入して炎症を起こせば、下痢を起こして病原体ごと排出します。膣内にはデーデルライン桿菌が常在して乳酸を作り、酸性に保つことにより細菌の増殖を抑えています。

出題
問題:粘膜と防御機構の組み合わせの中で、誤っているものはどれか?
1.気道-線毛上皮
2.口腔-唾液
3.尿路-リゾチーム
4.膣内-デーデルライン桿菌

正答:3

1.気道の粘膜は線毛上皮細胞からなり、線毛は異物の排除をする。
2.口腔内は、リゾチームを含みアルカリ性を示す唾液が分泌され、細菌の増殖を抑えている。
3.尿路では、尿の排出による洗浄作用が大きな役割を果たす。リゾチームは、粘液や涙液に含まれる抗菌物質で、細菌増殖を防ぐ。
4.デーデルライン桿菌は膣内の常在菌で、乳酸産生により膣内を酸性に保ち、細菌の増殖を抑制する。