第11回 「患者さんの最期を看取る」

涙を流し、自分の看護を振り返ることが、私自身の成長につながりました。

みなさん、こんにちは。4月の看護フェスティバルの際はありがとうございました。たくさんの学生さんとお話ができて、本当に楽しい一日でした。中には、3月に国家試験に合格して、さっそく臨床で看護師として働き始めた受講生さんも来て下さり、不安を抱えていた受験生の時とは異なり、なんだか頼もしく見えました。

さわ研究所の講師になって早4年、たくさんの学生さんに出会い、私自身も成長させていただきました。国家試験の勉強ももちろんですが、学生さんが無事に看護師になって臨床に出たときに、同じ看護師として話し、臨床での疑問に対して先輩ナースとしてアドバイスできることも、この仕事をしている喜びの1つです。これからも、国家試験の勉強だけではなく、患者さんとの関わりや実習での苦労などもお話できたらいいな…と思っています。

そこで、私が看護師をしていたときのエピソードをご紹介します。ある日、高校時代の友人に言われたことがあります。「患者さんが亡くなった時、なんともないの?」と。私は「えっ?」と思いました。友人は看護師ではないので、看護師は人の死に直面する仕事だととらえ、そのときの感情はどのようなものなのかを、純粋に知りたかったのだと思います。

実際にたくさんの患者さんの最期を看取らせていただきました。もちろん、生前から関わらせていただいた患者さんですから、悲しくないわけはありません。感情が麻痺してしまうわけでもありません。ただ患者さんが亡くなって一番悲しいのは、ご家族だと思うので、ご家族を前に泣いてしまうわけにはいかないと思ってこらえていました。その患者さんの最期に傍にいられたことに感謝しつつ、患者さんを見送りました。そして病棟にはたくさんの患者さんたちが私を待ってくれていますので、お見送りの後は、いつもと変わらないように接することも看護師の勤めだと思って仕事を続けていました。しかし、家に帰ってからは、患者さんとの思い出に涙を流し、自分の看護を振り返っていました。あの時にもう少し時間があったら、もっと患者さんの傍にいれたのかな…など。自分自身の反省ばかりです。

こうした臨床での経験が、私自身を成長させてくれていたと思います。実習で関わった患者さんと最期のお別れを経験する人もいるでしょう。そのときの涙のひとつずつが、きっとあなたの心の宝物になると思います。

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