第9回 「喋れない子猫でも、全身からメッセージを発信しています」

メッセージに気づく知識が重要です

学生のみなさんこんにちは! いかがお過ごしですか?

まだまだ先だと思っていた国家試験もだんだんと近づいてきてこれからが勝負の時期ですよね。かめきちの母の名前の由来になっている我が家のかめきちは、学生のみなさんとは正反対にそろそろ冬眠をします。

かめきちの母は亀(かめきち)を飼っていますが、実は猫も飼っています。いろいろなところで猫の話をすると、学生さんの中にも猫好きな方がいて会話がはずむこともよくあります。最近我が家では子猫を保護しました。さわ研で仕事を終えて帰宅途中、がりがりに痩せた子猫がさまよっていたのです。かめきちの母は素通りすることができずに我が家につれて帰りました。身体を洗い、ご飯をあげたのですが、呼吸が異常に早くて普通じゃないことに気づきました。おそらく脱水により循環血液量が減少しているからだろうと思い、様子を見ることにしました。人間であれば「苦しい」と訴えたり、顔の表情やチアノーゼなど、目で観察できる項目もありますが、当然子猫は、喋らないし表情も変わらないし、毛が生えているのでチアノーゼなんてわかりません。

翌日も呼吸状態は変わらず、苦しそうに口をあけて呼吸していました。そして、目を閉じて眠っているにも関わらず座ったままで… 24時間横にならないのです。なんでずっとすわったまま?そういえば…苦しいときって座れないんだっけ。呼吸苦がある時、座位になることで横隔膜が下がり、肺野が広がると呼吸が楽になるんでしたよね。また心不全などで肺うっ血をおこしている患者さんは座位になると、重力の影響で下半身からの静脈還流の減少に伴う心負荷の軽減がありました。そうか…この子猫は苦しさを少しでも改善しようと頑張っていたんだな…。

動物病院に連れて行きました。受診の結果やはり身体に問題がありました。横隔膜に穴が開いていたのです! 先天性か後天性か虐待?によるものかは不明でしたが、横隔膜の損傷があり、腹部内臓が胸腔内に移動しており、肺が圧迫されていたようです。まだ500gにも満たない体重で精一杯生きている姿にはちょっと感動させられました。現在3ヶ月経過しましたが、体力もついて元気になってきました。

観察や気づきってとっても大切なんですね。患者さんの中には発語できない方、意識障害などで意思が伝えられない方がたくさんいらっしゃいますよね。看護師は患者さんの全身から発信されるメッセージに一早く気づかなくてはいけません。

国家試験の勉強は範囲が広すぎて大変だと思いますが、大変な勉強だからこそ臨床に出てから患者さんの発信するメッセージに気づくための知識となります。最後まで負けないで頑張ってくださいね。

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